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大学入試の戦後史―受験地獄から全入時代へ (中公新書ラクレ 243)

大学入試の戦後史―受験地獄から全入時代へ (中公新書ラクレ 243)

中井 浩一

大学入試の戦後史―受験地獄から全入時代へ (中公新書ラクレ 243)

定価: ¥ 798

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発売日: 2007-04

発売元: 中央公論新社

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入学試験制度の裏側:みんな悩んでこうなった?
戦後史とあるが、内容のほとんどはこの10年の変遷についてであり、特に最近の入学試験の方針

についての国(国大協)と国立大学のせめぎ合いが興味深い。国が東京大学を通して大き

な方針を貫こうとするのに対し、京都大学が独自路線を掲げて反抗する構図というのが現在の

入試の混乱の元であることがよくわかる。かつての二期校制度の復活を目指す動きやAO入試の

今後について示唆に富む内容が豊富である。

いずれにしても受験人口の激減と全入可能な時代における大学のおかれた立場は大変であり、教養

部の弱体化に加え多彩な入試メニューをそろえなければならない大学の疲弊がよくわかる。日本は

医療費とともに教育費にも財源をつぎ込まなければならないのではないかと一層思うのだ。

一方的に減らすばかりではなく・・。

大学入試制度の分析、解説に物足りなさが・・・
後半の7章は興味深く、「教育をバカにし、私学につけをまわした」の部分は

まったく同感であり、素直に頷けました。

(本書の内容からは多少逸脱するかもしれませんが)大学進学希望者が増加する過程で

国公立大学の数を増やすべきだったのに、安易に私立大学を増やす事により

それをしなかった行政の責任は重いと私は思いました。全大学生の7割以上が

私立大学の学生であり、国公立大学をも含めた大学全体への公的支出の少なさは

国が国民に高等教育を受ける権利を保障しようと本気で考えてるとは思えない

状況ではないでしょうか。その結果、安易に増設を認可した私立大学の一部が

これからの時代に学生が集まらなくなり、経営危機に陥る等、問題がより顕在化して

来ることでしょう。(個人的な感想ばかりで申し訳ありません。本題に戻ります)



上でも書きましたように、7章や8章の一部は面白かったのですが、前半部分は

早稲田、慶応、東大、京大など一部の大学内部の話や、それらの大学の入試に絞った

話が多くそれ以外の大学の入試に関するものが手薄になっている気がします。



表題やサブタイトル通りに、受験地獄が言われていた時代の受験生やそれを取り巻く環境、

その社会的背景、どれだけ熾烈な入試が行われていたのかという実態や、逆に全入時代の

大学入試や定員割れ大学の実態、将来展望等をより詳細に書いて欲しかったですね。

また、戦後の大学入試制度の具体的な変遷をもう少し深く掘り下げて欲しいとも感じました。

例えば、「一期校、二期校制の発生と問題点」「A,B連続方式の問題点」や

「共通一次試験とセンター試験のシステム」「大学入試における偏差値の位置付けと意味」

「私立大学の複線入試」など、入試制度やその方式にもっと焦点を当てて頂き、その詳細を

知りたかったですね。

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