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オレンジの街路樹

アテネはもちろん、メテオラで有名なカランパカ、デルフィの神託で有名なデルフィ、オリンピック発祥の地、アクロポリスなど、地方の町でも、ギリシャの街路樹としていたるところで見かけるのがオレンジの木である。冬の木枯らしが吹くなか(真夏のイメージがあるギリシャでも冬はやはり寒いのです!)、オレンジ色の街路樹を見ると、ああ、やっぱりここはギリシャなんだなあ、と感慨深く感じた。しかしこのオレンジ、実はネラジア(ビター・オレンジ)という種類で、一般に食べられるオレンジ「ポストカリ」とは別のものだ。どちらかというと、ゆずのような感じといったらいであろうか。とても生で食べられるようなものではなく、超すっぱく、渋柿のような渋みがあるのである。でも風味は抜群で、マーマレードなどのジャムやお菓子に使ったりする。ピクルスや、日本でいう白菜の塩漬けなどに皮を刻んで入れるととても良い香りがする。ギリシャに長く在住している日本人の女性は、これをバスタブに浮かべてゆず湯のようにするととてもいい、という。

あくまでこれは観賞用ということであろうか。確かに・・・甘くておいしかったら、みんなとられてしまいるだろう。聞くところによると、このネラジアの実を取りたがるのは、日本人観光客が多いとのことである。

このネラジアには戦争中の逸話がある。ドイツ軍がギリシャに侵入してきたときに、このネラジアをオレンジと勘違いして喜び勇んで食べるのを、ギリシャの街の人たちはくすくす笑いながら見ていたということである。

さぞかし当時のドイツ兵たちは顔をゆがませたことであろう。現在では、日本人観光客がきっとホテルで顔をゆがませているのかもしれませんね。

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