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デルフィ
アテネから北西へ約170km、古代ギリシャの宗教の中心地として栄えたのがデルフィである。パルナッソス連山の懐に抱かれ、眼下にはオリーブ畑、遠くにはコリンティアコス湾を望みる。
かつてこの地ではアポロンの神託が行われていた。信託とは、神の「お告げ」である。この神託をもとに、個人、国家の指導者は国の大事を決定したのである。
メインストリートのパブロウ&フリダキス通りの南側にはずらりとホテルが立ち並ぶ。どこも1階はレストランとなっていて、中に入ると山の斜面から眼下のすばらしい眺めを楽しむことができる。
町全体が山の斜面にあることから、通りのところどころに上下に抜ける階段がある。夕方になると、谷のほうから羊の鈴の音が響き、空が茜色に染まるころ、谷をゆっくりと歩いていく羊の群れを見ることができる。
古代世界でのデルフィは、ギリシャの聖域であっただけでなく、全世界の中心「世界のヘソ」と考えられていた。遺跡の入り口から曲がりくねった参道を登っていくと、険しく迫る山をバックにアポロン神殿がある。アテネ人の宝庫や、古代劇場などがあり、さらに上にはスタジウム(競技場)がある。そして「大地のヘソ(オンファロス)」とされた石がある。神託はここで行われていたのである。
神殿の前室の壁には古代賢人の格言が刻まれていた。そのなかのタレスの有名な「汝自身を知れ」という言葉は、当時の生活規範だったといわれている。
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