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グローブの香り
インドネシアを訪れると人の集まるところなど、どこででもどことなく甘い香りがする。グローブ(丁子)の香りである。インドネシアのタバコには、クレテックと呼ばれるグローブの小さな片が味付けとして混ざっているからである。
バリ島を訪れたら、地元の人たちが集まる小食堂や、バスなどでちょっと鼻を利かせてみてください。きっと、甘くさわやかな香りがすることであろう。
グローブには、防腐、防虫成分が含まれている。スパイスとして料理に使うだけでなく、医薬品、媚薬、防虫剤、口内清涼剤として古くから珍重されていた。しかしこのグローブの産地については、まったく知られていなかったことから、大航海時代になって初めてそれがインドネシアのモルッカ諸島とわかると、この地域は香料諸島と呼ばれるようになったという。西洋諸国の熱い視線を浴びることになったのである。マゼランの地球一周もこの香料諸島に西回りで到達することを大きな目的としていたという。
スマトラのトバ湖の周辺や、タナ=トラジャなどの観光地はもちろんのこと、バリでも、観光地には、乾燥してスパイスにする白いつぼみをつけたグローブの木をみかけることができるかもしれない。
海外に出かけるとその国独自の香りがするものだ。韓国ならキムチでしょうか、インドならカレーの匂いかもしれない。目だけでなく五感を研ぎ澄ませて全身でその土地の空気を感じてみるといいかも知れない。
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